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品質管理とは(品質保証との違い・基本的な考え方・ツールや手法)


品質管理とは

「品質管理」について説明します。


品質管理とは


品質管理とは、顧客の要求する品質、価格、納期を満足する商品やサービスを経済的に作り出す為に、固有技術や管理技術を使って全社的におこなうことです。

品質管理(ひんしつかんり)ってよく聞きますね。

英語では、「Quality Control」と言います。
略して「QC」(きゅーしー)と読んでいます。

品質管理でよく使用されtる言葉としては、「QC七つ道具」「新QC七つ道具」「QCサークル」「QC工程表」などがあります。
「QC」という言葉が付けられています。
「QC」がついていたら、品質管理に関係する言葉だと思ってもらったら良いと思います。


品質管理と品質保証の違い


「品質保証」とは、顧客が購入し安全に使用してもらい、満足する「製品」や「サービス」を、その後も提供することを保証するための活動のことです。

「品質保証」は英語で「Quality Assurance」と言います。

「品質管理」と「品質保証」について以下のような違いがあります。

目的が異なります


「品質管理」と「品質保証」では「目的」が異なります。

  • 「品質管理」は、前述したように、出荷する製品の品質がお客様の要求を満たしていることです。
  • 「品質保証」は、製品を出荷した後も製品の品質がお客様の要求を満たしていることです。

管理する項目が異なります


「品質管理」と「品質保証」では管理する項目が異なります。

  • 「品質管理」は、「不良率」です。
    サンプリングした標本から母ロットを推定します。

    例えば、ロット生産などでは、製造工程で、ロットから「全数検査」や「抜き取り検査」などをおこない、そのロットにどのくらい不良が入っているのかを推定します。

  • 品質保証は、「故障率」です。
    ある時点で、その後いくら動作しているか(信頼度)を推定します。

    例えば、ロットなどから検査サンプルを抜き取り、お客様での使用を想定した検査(耐久テスト・寿命テスト)などをおこない、どのくらい故障が発生するかを推定します。

責任の範囲が異なります


「品質管理」と「品質保証」では責任の範囲が異なります。

  • 「品質管理」は、「品質」を管理・維持することです。
    一般的に工場などで、製品の品質を満足するように製造するための活動です。

  • 「品質保証は、「品質」を保証することです。
    製品をお客様に販売した後も品質を保証するためにおこなう活動です。
    「製品の企画の段階」から「設計」、「製造」、「顧客への出荷」、「販売後」までが、責任の範囲になります。

    「品質保証」の方が「品質管理」より範囲が広くなります。

    一般的に「品質管理」は、「品質保証」の一部になります。

具体的に説明します。
新製品を開発する場合、大きく以下のステップでおこないます。

  1. 製品企画段階----------------->ここから「品質保証」
  2. 設計段階
    ----------------------->ここから「品質管理」
  3. 資材・購買
  4. 製造
  5. 顧客へ納品
    ----------------------->ここまでが「品質管理」
  6. 出荷後の管理
    ----------------------------->ここまでが「品質保証」になります。

「品質保証」は、「1」から「6」までが責任範囲です。
「品質管理」は、「3」「4」「5」が責任範囲です。
「3」を「品質保証」に入れている企業もあります。

部署が異なります


企業によって異なっていますが、「品質管理」と「品質保証」では一般的に担当する部署が異なります。

  • 「品質管理」は、「品質管理部」です。
    「製造部」の中に「品質管理」の組織が含まれている場合もあります。
  • 「品質保証は、「品質保証部」です。
    「品質保証部」の中に「品質管理」の組織が含まれる場合もあります。

業務・仕事が異なります


責任の範囲が異なりますので、当然、「業務・仕事」も異なります。
前述したように、「品質保証」は、製品を顧客に出荷した後も、フォローする必要がありますので、「品質管理」より、業務・仕事の範囲が広くなります。

「製品企画段階」から「設計段階」から「出荷後」の「クレーム処理」まで多くの業務・仕事があります。

「品質管理」は、「品質保証」の一部になります。

詳細な「業務や仕事」について以下のページをご覧ください。



品質とは


「品質管理」を説明する前に、「品質」について知っておいた方が良いと思います。
以下のページをご覧ください。



ISOの品質管理の定義


現在、国際的に品質管理について定義されているものは、「ISO9000シリーズ(ファミリー)」です。
「品質マネジメントシステム」について定義されています。

「ISO9000シリーズ(ファミリー)」は、「品質管理」の管理や仕組みについて定義しています。

ISOとは、International Organization for Standardizationの略です。
ISOは、「アイエスオー」とか「イソ」などと呼びます。
日本語では、「国際標準化機構」と呼んでいます。

ISO9000シリーズでは、「品質マネジメントシステム」として次のように定義しています。

  • 3.5.4 品質マネジメントシステム(quality management system)
    「品質マネジメントシステム」とは、
    「品質(3.6.2)に関する,マネジメントシステム(3.5.3)の一部。」

  • 3.3.4 品質マネジメント(quality management)
    品質(3.6.2)に関するマネジメント(3.3.3)。
    注記として
    品質マネジメントには,品質方針(3.5.9)及び品質目標(3.7.2)の設定,並びに品質計画(3.3.5),品質保証(3.3.6),品質管理(3.3.7)及び品質改善(3.3.8)を通じてこれらの品質目標を達成するためのプロセス(3.4.1)が含まれ得る。

  • 3.6.2 品質(quality)
    対象(3.6.1)に本来備わっている特性(3.10.1)の集まりが,要求事項(3.6.4)を満たす程度。

です。
詳細は以下のページをご覧ください。


難しくて、よくわかりませんね。

1956年に制定され、1999年に廃止されましたが、1981年に改訂されたJIS Z8101(品質管理用語)は、「品質管理」を次のように定義しています。

「品質管理とは、買手の要求に合った品質の品物または サービスを経済的に作り出すための手段の体系」
と定義しています。

つまり、
  • 顧客に提供する品物やサービスが顧客の要求する品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery)になっていること。
  • 品物やサービスをなどを各職場や部署で他社より安く早く効率よく提供できること。
  • それらをおこなうために、固有技術だけではなく統計を利用した管理技術を全社的におこなうことです。

です。

こちらの方がわかりやすいと思います。

現在は、JIS Z8101(品質管理用語)はISO9000シリーズに統合されたようですが、考え方は同じです。
ISO9000シリーズは、製品の品質管理だけではなく、サービス、組織なども含まれています。

この品質管理をおこなうために、いろいろな考え方や方法があります。

日本の製品の品質は、世界一です。
それは、品質管理技術が優れているからです。

戦後から、現在まで、企業では、いろいろな品質管理技術が生まれました。


品質管理の基本的な考え方


品質管理の「基本的な考え方」について説明します。

「品質管理」を実践してゆくには、まず、「品質管理」の「基本的な考え方」を理解する必要があります。

「品質管理」は、品質管理をおこなう部署、品質管理部や品質保証部だけでおこなうのではありません。
企業の全部署でおこなってゆきます。

そのため、品質管理の基本的な考え方は、企業で働く全員が理解する必要があります。

「品質管理」には、次のような基本的な考え方があります。
非常に重要です。

品質第一


顧客は、提供する製品やサービスが良くなければ購入しません。
顧客は、製品やサービスの「品質を第一」に考えています。

当然、企業でも、全員が「品質を第一」とした考え方で、品質管理を推進する必要があります。

顧客志向


製品やサービスがお客様に満足して頂けるかどうかが非常に重要です。
お客様のことを第一に考えることが大切です。
お客様を最重要視する考え方を「顧客志向」とか「マーケットイン」「お客様が第一」などと呼んでいます。

後工程もお客様


「顧客志向」を、自分の仕事に発展させたときはどうなるでしょうか。
自分の仕事の後を引きついで行く人が自分の「顧客」になります。
次の工程の人を「後工程」と呼び、「後工程」の人に喜んで頂ける仕事をすることが重要になります。
つまり、「後工程もお客様」という考え方で、皆が仕事をすればよい結果に結びつきます。

プロセスを管理する


製品の品質だけではなく、その製品の品質が常に良いものが生み出せるように、その「プロセス」(過程、仕組み)に着目することが重要です。

商品やサービスの結果が悪いということは、その結果を生み出している「プロセス」に、問題があるということです。

「品質を工程で作りこむ」という考え方が重要です。

「プロセスを管理する」ということは、設計、部品や原材料、製造工程などの
プロセスや仕事のやり方に着目して管理し改善させていくことです。

重点志向で問題・課題に取り組む


品質管理活動をおこなう場合、問題全部に対して改善の対策を打つのは効率的ではありません。
経営資源は限られています。
「優先順位」を明確にして、大きいものから、改善活動などをおこなってゆきます。
「重点志向」と呼んでいます。
「QC七つ道具」の「パレート図」などを使用して重点志向すべき内容を把握することができます。


事実に基づく管理


品質管理は、「事実」を重視します。
事実情報を入手し、判断して行動します。
必ずデータを収集し、統計的方法を使用します。
統計的方法の代表的なものが「QC七つ道具」です。


管理のサイクル


「管理のサイクル」は、「PDCAのサイクル」とも呼んでいます。
品質管理の「管理」は次の「PDCA」を回すことです。

  • 計画(Plan)= P
  • 実施(Do) = D
  • 確認・評価(Check) = C
  • 修正・処置・対策(Action) = A

であり、これを繰り返し回すことにより、改善してゆくことです。


ばらつきの管理


製品やサービスは「ばらつき」が発生します。
「ばらつき」が小さい場合には問題がありませんが、大きくなると重大問題が発生する可能性があります。
「品質管理」は、統計的手法を使って、この「ばらつき」を最小限にしてゆきます。


変化点管理


プロセス及びその相互関係を迅速にかつ敏感に察知して、問題の発生を予防することを「変化点管理」と呼んでいます。

見える化


プロセスの状態を誰が見ても理解できる状態にすることが重要です。
その為には活動状況や結果を一目でわかる状態にします。

全員参加で取り組む


品質管理は、製造部など特定の部署や組織で実施するのでは、大きな効果は期待出来ません。
製品やサービスの品質は、企業全体の組織の一人一人の仕事で、PDCAのサイクルを回すことにより、効果は非常に大きくなります。


これらの品質管理の「基本的な考え方」を実践するために、いろいろな手法(ツール)や管理のやり方が考えだされました。

その他にも次のようなものがあります。
「源流管理」「再発防止」「標準化」「人間性尊重」などです。


品質管理のツールや手法


「品質管理」は目的に応じていろいろな「ツール」や「手法」があります。

そして、「ツール」や「手法」だけではなく「品質管理の考え方」も理解しておく必要があります。

品質管理の考え方を含む「ツール」や「手法」の「全体像」を、わかりやすいように次の4つのグループに分類しました。

  1. 品質管理の考え方
    品質管理をおこなう場合の考え方です。
    品質管理を行う人はまず理解する必要があります。
    非常に重要です。
  2. 品質管理を維持する方法
    一定の品質を維持するための手法です。
  3. 品質を改善する方法
    品質を改善するための手法です。
  4. 組織を改善する方法
    組織や品質管理の仕組みを改善する方法です。
です。

それぞれのグループ別に、次のような内容や道具(ツール)・手法があります。
「参考ページ」をクリックすると、詳細なページに移動します。

品質管理の考え方


「品質管理」には、前述の「品質管理の基本的な考え方」や以下の内容があります。
「品質管理」をおこなう人は理解しておく必要があります。


品質管理を維持する方法


「品質管理」を維持する方法としては、以下の「ツール」や「手法」があります。

  1. ISO9000シリーズの導入
  2. QC工程表の作成
  3. 標準化の推進
  4. 管理項目一覧表の作成
  5. 工程異常報告書の作成

重要なものを説明します。

ISO9000シリーズの導入


「ISO9000シリーズ」は、「品質マネジメントシステム」(QMS:Quality Management System)と呼ばれています。
「品質関係」の国際規格です。
「製品」の規格ではなく「マネジメント」の国際規格です。
管理や仕組みの国際規格です。


QC工程表の作成


「QC工程表」とは、1つの製品の原材料・部品の購入から完成品として出荷されるまでの工程の各段階での、管理特性や管理方法を工程の流れに沿って記載した表です。

つまり、製造現場の品質を保証するために、各工程で、どのような「製造条件」をコントロールしているか、どのような「品質特性」を誰が何時、確認しているかを表したものです。

「QC工程図」とも呼んでいます。

標準化の推進


「標準化」について、「JIS」には次のように定義しています。

「実在の問題または、おこる可能性のある問題に関して、与えられた状況において最適な秩序を得ることを目的として、共通にかつ繰り返して使用するための記述事項を確率する活動」
です。

「標準化」とは、
製品・サービスの品質・質をばらつきがなく一定レベル以上にする方法です。

「標準化」をおこなったら必ず「作業標準書」を作成する必要があります。



品質を改善する方法


「品質管理」を改善する方法としては、以下の「ツール」や「手法」があります。

  1. QC七つ道具
  2. 新QC七つ道具
  3. 改善提案の実施       
  4. 5Sの実施
  5. 統計的方法

この中で、いくつかは詳細な個別のツールや手法があります。


QC七つ道具


「QC七つ道具」は、数値データを分析する「ツール」「手法」です。

「QC七つ道具」には、以下の「ツール」や「手法」があります。

  • パレート図
  • 特性要因図
  • グラフ
  • 管理図
  • チェックシート
  • ヒストグラム
  • 散布図
  • 層別

それぞれの詳細は、以下のページをご覧ください。


新QC七つ道具


「新QC七つ道具」は、言語データを分析する「ツール」「手法」です。

「新QC七つ道具」には、以下の「ツール」や「手法」があります。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリックスデータ解析法

それぞれの詳細は、以下のページをご覧ください。


改善提案の実施


仕事のやり方を、使いやすいもの、やりやすいように変えていくことが、「改善」です。
その回答を出す過程が、「改善」であり、その結果を経営の中に吸収してゆく仕組みが「改善提案制度」と呼ばれるものです。


5Sの実施


「5S」とは、「整理(SEIRI)」「整頓(SEITON)」「清掃(SEISOU)」「清潔(SEIKETU)」「躾(SHITUKE)」のローマ字表記で、「S」で始まることから、「5S」と呼んでいます。

「品質管理」、「品質改善」、「日常業務」の基本となる活動です。


統計的方法


その他の「統計的方法」です。

  • 検定・推定
  • 相関分析・回帰分析
  • 多変量解析
  • 実験計画法
  • 信頼性工学
などです。

組織を改善する方法


組織を改善する方法としては、以下の「ツール」や「手法」があります。

  1. QCサークル活動
  2. プロジェクトチーム
  3. 方針管理
  4. 日常管理
  5. 機能別管理
  6. トップ診断

QCサークル活動


QCサークルとは、第一線職場で働く人々が、継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小グループです。
この小グループは、運営を自主的に行い、QCの考え方・手法などを活用し、創造性を発揮し、自己啓発・相互啓発をはかり、いろいろな改善活動をおこないます。


方針管理


「方針管理」とは、組織が決めた方向に、組織一丸となって取り組む活動です。


日常管理


「日常管理」とは、組織として、日々おこなう管理活動です。


「品質管理」の全体像を一覧で見たい場合は、以下をご覧ください。



狭義と広義の品質管理


品質管理の範囲について説明します。

品質管理という場合、2つの意味があります。
「狭義の品質管理」と「広義の品質管理」です。

  • 狭義の品質管理
    製品のみの品質管理をおこなう顧客に提供する活動です。
    主に、製品の製造に関係する、製造部や品質管理、生産技術、購買部などが、中心に品質管理活動をおこなってきました。
  • 広義の品質管理
    顧客や社会の要求する品質を満たし、ニーズにあった製品やサービスを作って提供するための品質管理活動です。

最近では、「広義の品質管理」が一般的になっています。
「広義の品質管理」を「品質保証」と言っているところもあるようです。

「ISO9000シリーズ」や「TQM」(総合的品質管理)/「TQC」(全社的品質管理)は広義の品質管理活動です。


品質管理の対象


品質を管理する対象は、品物またはサービスだけではなく、そのプロセスも含まれます。

つまり、企業の全部の仕事で品質管理をおこないます。


品質管理を実施する部署


品質管理を効果的に実施するためには、製造だけではなく、企業全体でおこなう必要があります。

市場調査、研究、製品の企画、開発、設計、生産準備、購買、外注、製造、検査、出荷、販売、及びアフターサービス、財務・経理、人事、総務などの企業の全部門で品質管理活動を進めてゆく必要があります。





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