ヒストグラム
「QC七つ道具」の、「ヒストグラム」について説明します。
ヒストグラムとは
ヒストグラムとは、データをいくつかの区間に分けてその区間のデータを集め、その「度数」(数)を「棒グラフ」で表した図です。
データがどんな値を中心に、どんなばらつき方をしているかを調べるのに用いられる図です。
データは、ある条件のもとで取られたデータ(約100個以上)が数多くある場合です。
柱を立てたような図であるので「柱状図」ともいわれています。
ヒストグラムの例
ヒストグラムの例です。

ヒストグラムの目的
ヒストグラムの目的です。
ヒストグラムには次のような目的があります。
- 一目で、「平均値」や「ばらつき方」を把握することができます。
- 異常を発見することができます。
- 現状把握に使用することができます。
- 対策、効果の確認に使用することができます。
ヒストグラムの言葉
ヒストグラムの言葉について説明します。
「ヒストグラム」には次のような言葉が使用されています。
- 級
「ヒストグラム」の1本1本の柱を「級」と言います。 - 級の幅
柱の太さを示します。 - 境界置
柱と柱とが接している所の値です。 - 中心線
それぞれの級(柱)の中心の値です。 - 度数
それぞれの級に属するデータの数です。
「度数」は柱の高さで示します。
ヒストグラムのまとめ方
ヒストグラムのまとめ方について説明します。
「ヒストグラム」は次のステップでまとめてゆきます。
1.データの数を数えます。
データの総数を、「N」とします。
2.データの中から、最大値(L)と最小値(S)を求めます。
3.区間の数を決めます。
LとSの差を求め、10で割ります。
データ数の平方根(ルート)を使う場合もあります。
4.級の幅を決めます。
「級」の幅(h)は測定の最小の刻みの整数倍にします。
「3」の値に近い、整数倍にした方がよいと思います。
「級」の数は、8から15がよいです。
5.級の境界を一方の端、例えば最小値を含む級から決めてゆきます。
「級」の境界の値は、測定単位よりももう1ケタ下までとります。
6.度数表を作るデータを「級」分けします。
「級」の境界別にデータに基づいてマーキングをしていきます。
「級」別のデータ数を計算してゆきます。
これが「度数」になります。
「級」の中心値を計算します。
7.方眼紙の横軸に級の境界を、目盛ります。
縦軸に「度数」(f)をとり、「ヒストグラム」を書きます。
余白に、データの履歴と総数を記入します。
ヒストグラムの見方
ヒストグラムの見方について説明します。
ヒストグラムは、以下のステップで見てゆきます。
1.ヒストグラムの分布の型をみます。
「ヒストグラム」には、いろいろな形があります。
次のような場合は注意が必要です。
- はなれ小島
山が2つになって離れています。
はなれている小島のデータをみて原因を調べます。
はなれている小島のデータは異常値の可能性があります。 - 櫛歯
山がでこぼこになっています。
「級」の幅の値がおかしい可能性があります。 - ひずみ
山が「ひずみ」になっています。
片方の側になにか、制限条件がないか調査します。 - 絶壁
山が途中で落ちています。
測定におかしいところがないか調べます。 - 規格との対比
「規格」や「図面寸法」と対比します。
実際のデータが規格内に入っているのか、「ばらつき」は
おかしくないか調べます。
「ヒストグラム」は、個々のデータを用いて作ります。
2.平均値を調べます。
3.ばらつきの大きさをみます。
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