管理図
「QC七つ道具」の、「管理図」について説明します。
管理図とは
管理図は、工程などの品質を管理するために使用されます。
「偶然のばらつき」と「異常原因によるばらつき」を区別することができます。
異常を発見することができます。
「同じ人」、「同じ機械」、「同じ材料」、「同じやり方」でも製品の品質には「ばらつき」が生じます。
「ばらつき」には、次の2つの種類があります、
- 原因を調べても意味がない「偶然のばらつき」
- なんらかの「異常原因によるばらつき」
です。
管理図は、「ばらつき」を管理して工程の異常を発見する事が出来ます。
●参考ページ
管理図の例
管理図の例です。

管理図の構成
管理図の構成について説明します。
「管理図」には、「中心線」と上下一対の「管理限界線」が引かれています。
これに品質を表す点を打ってゆきます。
- 「1」の「偶然のばらつき」は管理限界線の中に入ります。
- 「2」の「異常原因によるばらつき」は管理限界線の外に出ます。
「管理限界線」を外れた(出た)データに対して原因を調べて対策を打ちます。
管理図の種類
管理図の種類について説明します。
「管理図」には管理するデータによって、2つの種類があります。
- ひとつは「計量値」です。
- もうひとつは「計数値」です。
それぞれについて次のような「管理図」があります。
計量値
「計量値」は、測って得られるデータです。
「計量値」の「管理図」には次のような種類があります。
管理図の種類 | 管理する品質 |
---|---|
![]() |
長さ、重量、時間、硬さ、純度などです。 |
x管理図 | 長さ、重量、時間、硬さ、純度などです。 |
計数値
「計数値」は数えて得られるデータです。
「計数値」の「管理図」には次のような種類があります。
管理図の種類 | 管理する品質 |
---|---|
p管理図 | 不良率 |
pn管理図 | 不良数(個数) |
c管理図 | 一定単位の中の欠点数 |
u管理図 | 単位が一定でないものの欠点数 |
管理図の目的
管理図の目的について説明します。
「管理図」には、次のような目的があります。
- 「規格限界」を発見することができます。
品質が合格できる範囲を超えたかどうか把握することができます。
範囲を超えるとその製品は不合格になります。 - 工程を「管理限界」に保つことができます。
管理限界を外れたときは、その原因を調べて対策を打つ必要があります。
管理図の用途
管理図の用途について説明します。
「管理図」には、次のような用途があります。
- 「工程解析」に使用します。
工程が管理された状態にあるかどうか調べることができます。 - 「工程管理」に使用します。
工程をよく管理された状態に保つために管理図を使用します。
管理図のまとめ方
管理図のまとめ方について説明します。
工程で、よく使用されている、

「

1.管理しようとするデータについて、100個くらいのデータを取ります。
ロット別の製品の品質の管理図などです。
4から5くらいのサンプルを20から25組くらい取ります。
2.各組ごとの「平均値」「
」を計算します。
3.各組ごとのサンプルの「範囲」「
」を計算します。
範囲「

4.管理図用紙(方眼紙)に「
」と 「
」を組の番号順に点で記入します。
上に「


5.20から25組の「
」と 「
」から、それぞれの全体の「平均値」を計算します。
6.「
」の「管理線」を計算します。
全体の「

「上方管理限界」(UCL)と「下方管理限界」(LCL)を計算します。
サンプルの数でパラメータが決まります。
7.「
」の「管理線」を計算します。
全体の「

「上方管理限界」(UCL)と「下方管理限界」(LCL)を計算します。
サンプルの数でパラメータが決まります。
8.「管理図用紙」に「管理線」を記入します。
「中心線」は実線、「上方管理限界」(UCL)と「下方管理限界」(LCL)は破線で記入します。
管理図上に、nの数、中心線、UCL、LCLの値を記入すると見やすくなります。
これで、「管理限界線」が記入されました。
管理図の異常値
管理図の異常値について説明します。
どのようなときに異常が発生しているかですね。
管理図の見方です。
一例として「

次のような異常な場合があります。
呼び方 | 見方 | 処置 |
---|---|---|
(1)管理はずれ | 管理限界外に点が出たとき(線の上は外になります。) | 異常なので、原因を調べて対策を打つ必要があります。 |
(2)7つ以上の連 | 管理限界内に入っていますが、中心線の片側に連続して7つ以上の点が並んだとき。 | 工程の平均やバラツキが変化していることを示しています。 原因を探す必要があります。技術的な情報が得られる場合もあります。 |
(3)限界近くの点 | 点が管理限界の中にあっても、管理限界の2/3以上はなれた所に連続3点中2点あるとき。 | 工程のバラツキが大きくなったことを示します。 注意が必要です。 |
(4)点の並び方にくせがある | 点が上向き、または下向きにつながる。 または周期的に上下する。 |
工程にそのようなクセが入る要因がある。 原因を探す必要があります。 |
(5)安定状態にある (管理状態です。) |
管理図に記入された点をみたとき、連続25点以上の中に(1)から(4)のようなものはない。 | 工程は大変安定しています。 処置の必要はありません。 |
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