アローダイアグラム法
「新QC七つ道具」の、「アローダイアグラム法」について説明します。
目次
アローダイアグラム法とは
アローダイアグラム法とは、問題の解決の作業が絡み合っている場合、「各作業の関係」と「日程のつながり」を明確にする方法です。
最適な日程計画を作成することが出来ます。
スケジュール管理などに使用されています。
「系統図法」や「マトリックス図法」で、問題解決のための最適手段や対策が決まります。
次には、それらの多くの手段や対策を、どの順番に、いつ実施するとよいのかという問題がおこります。
「順番」と「日程」ですね。
この為に、「アローダイアグラム法」が使用されます。
「アローダイアグラム法」は、問題の解決の作業が絡み合っている場合、各作業の関係と日程のつながりを明確にする方法です。
「アローダイアグラム」(矢線図)はパート(PERT)で用いる「日程計画図」です。
特定の計画を進めていくために必要な作業の関連をネットワークで表現したものです。
「パート」(PERT)は、Program Evaluation Review Techniqueの略です。
1957年アメリカで新しい計画と管理の手法として開発されました。
ポラリスミサイルの開発に使用され、開発期間が2年も短縮したそうです。
日程計画を表すのに、矢線を用いるので、「アローダイアグラム」と呼んでいます。
従来から、日程の計画や管理の為の手法として、「バー・チャート」(別名、ガント・チャート)がよく使用されています。
「バー・チャート」(ガント・チャート)は、大まかな計画や簡単な作業指示には優れた方法です。
でも、作業に相互関係を把握するのが難しいです。
また、一部の作業の改善や変更が他の作業にどのように影響しているのかわかりません。
最良の対策が立てにくいという欠点もあります。
このような欠点を補い、工程分析の機能を備えているのが、「アローダイアグラム法」です。
アローダイアグラム法の例
アローダイアグラム法の例です。

アローダイアグラム法の目的
アローダイアグラム法の目的について説明します。
- アローダイアグラム法の目的は、最適な日程計画をたてて、スケジュールを管理することができます。
アローダイアグラム法のメリット
アローダイアグラム法のメリットについて説明します。
「アローダイアグラム法」には、次のようなメリットがあります。
- 仕事全体の作業と繋がりを把握することができます。
- 仕事の着手前に、工程上の日程上の問題点を把握することができます。
どの作業が日程上遅らせてはいけないのかを把握することができます。
「クリティカルパス」と呼んでいます。
「隘路」(あいろ)です。 - ネットワークを書く事で、改善案が作成できることがあります。
- 作業の進捗状況のチェックが容易に行う事ができます。
計画変更に対して、問題に対して早い処置を行う事が出来ます。 - 関係者のコミュニケーション、意思疎通が容易となります。
認識、納得もスムーズになります。
アローダイアグラム法を使用するときの注意事項
アローダイアグラム法を使用するときの注意事項について説明します。
「アローダイアグラム法」を使用するときには次のことに注意する必要があります。
- 作業項目と現実的な所要日数を決めることが重要です。
- 作業項目の順序と関連性が正しいかチェックします。
などです。
アローダイアグラム法のルール
アローダイアグラム法のルールについて説明します。
アローダイアグラム法には、次のようなルールがあります。
図示記号と名称
図示記号と名称は次のようになっています。
記号 | 名称 | 意味 |
---|---|---|
直線の矢線 | 作業 | 時間を必要とする要素作業を示します。 |
○(丸印) | 結合点 | 作業と作業の区切りです。作業の終了時点であり次の作業の開始時点を示します。 |
-->(点線の矢線) | ダミー | 所要時間がゼロで、作業の順序関係を示します。 |
先行作業と後続作業を明確にします。
平行作業
並行作業はダミーを使用します。
ダミーの使い方のルールです。
- 2つの結合点を結ぶ矢線は1つにします。
- 並行して行われる作業経路の間で前後関係をつける場合は、ダミーを使います。
ループを入れてはいけません。
不必要なダミーは使ってはいけません。
などです。
アローダイアグラム法のまとめ方
アローダイアグラム法のまとめ方について説明します。
「アローダイアグラム法」のまとめ方について説明します。
1.系統図法などで抽出された手段の中で、実施事項が明確な手段をテーマとして取り上げ、ラベルに赤字で書きます。
2.テーマについての制約事項があれば明確にしておきます。
3.全員でディスカッションしてテーマを達成するために必要な作業を列挙します。
メモします。
4.必要な作業が出たら、作業をラベルに黒字で書きます。
5.模造紙を広げ、作業ラベルを各作業の先行作業、後続作業の関係で、左端から右側へ順に配置してゆきます。
6.不必要なラベルや重複したラベルは、除去します。
とにかく、一度始めから終りまで図示記号で整理し、仮つなぎをします。
7.全員でディスカッションし、見直しながら抜けている作業があれば、追加してゆきます。
8.直列に並ぶ、作業ラベルの最も多い経路を中央に決めて配置します。
9.並列の関係にある作業ラベルは、それぞれの該当する位置に配置します。
10.全作業ラベルの配置が決まると、ラベルを貼ります。
図示記号を黒で記入します。
結合点番号を作業の先行するものから順に記入します。
メンバー、月日、場所などの必要事項を記入します。
11.各作業の所要日数を記入する場合もあります。
各結合点について、次の2つを計算します
「最早結合点日程」は、早くてもこの日からでないければ開始できない日程です。
「最遅結合点日程」は、遅くともこの日までに終了していなければならない日程です。
「アローダイアグラム」を作成する場合は、最近は、作成ソフトもありますので、それを活用しても良いかもしれません。
●「新QC七つ道具」の関連ページです。
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